敬老の日に萩焼きはいかがですか
久しぶりに東急百貨店たまプラーザ店の売り場のご案内です。
4階の楽陶では萩焼きを常設で取り扱っております。
「一楽、二萩、三唐津」という言葉を聞いたことがありますでしょうか。
これはお茶の世界で好まれるお茶碗の種類で、を茶人たちに寄って言い伝えられてきたランキング?です。
一の楽は楽焼といって千利休が考案したとされる京都の焼もので黒釉が有名です。シンプルながらミステリアスな無地の黒はハッとするほどお茶の存在を際立たせます。
三の唐津は佐賀の唐津です。柔らかく素朴な風情がある所以は、日本で最も古い歴史をもつ焼き物のひとつだからでしょう。
そして二の萩を本日はご紹介します。
萩の土は焼き締まりが少なく、柔らかい土は吸水性があります。
「ざんぐり」(柔らかくふっくら)とした質感が特徴です。
吸水性が良いので、お茶やお酒を飲むのに使用しているうちに、釉薬の「貫入」から着色が進んできます。
一種の経年のしみではあるのですが、これを茶人たちが「侘・錆」として面白がり、鑑賞という点で大きなポイントとされています。
変わってゆくから、面白いのです。
特に萩の場合は「萩の七化け」と言われ珍重されるのです。
また、萩は土と釉薬の組合せの妙も素晴らしいのです。
土のそのままの濃い灰茶色に、ぽってりと白い釉薬をかけるもの。
白萩釉などと呼ばれます。
窯の中で釉薬が収縮し、ところどころに黒っぽい素地が見える景色は、そうまるでお菓子の鬼おこしのようです。
鉄を含んで赤みを帯びた褐色に、枇杷釉という同色の釉薬をかけたもの。
枇杷釉と呼ばれます。
まさに「枇杷」としか言い表せないまろやかな褐色はお茶の色を美しく見せます。
古くから茶人に愛されてきた萩焼き。
お茶をいただくだけではなく、お酒のぐいのみとしても大変好まれます。
お茶やお酒をいただくときの、寛いだ心地。
「ざんぐり」とした萩の手触りや、口をつけたときの舌触りは、お茶やお酒を本当に美味しくしてくれるのですよ。
敬老の日に、おじいちゃま、おばあちゃまに何を贈ろうかなとお考えの方。
ぜひ萩焼きを手にとってみてください。ほっと寛いだ心地になりますよ。
2017年9月1日 楽陶